騙してみせて!
ブーブー

「……ッ!」

分からない。

なんで、こんな時に。

でも、
どうしよう。

なんで、こんな瞬間<トキ>に。

あたしの計算は
間違いないハズなのに…


「ナツエ…?」

少し戸惑った声にハっとする。

あたしは今何をしていたのだろう……

たかが携帯のバイブが鳴っただけの事なのにこんなにも動揺して。

それを紺野くんにまで悟られて。

あたしは一体何をー……


「ごめん、電話みたい。ちょっとお手洗い行ってくるね」

無理矢理口から出すようにそれだけ言うと、席を立った。

そそくさとトイレへ移動すれば、ようやくため息を一つ。

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