騙してみせて!
バイブだけでは電話かどうかあたしは判断できない。

嘘をつくのは慣れている。
それだけに怪しまれることはない。

…だけど。

一瞬襲ったあの悪寒は何だったのか。

いや、悪寒というのが適切なのかも分からないほど一瞬の出来事で脳裏に過ぎったあの不条理な感覚は一体何だったのか。

最早、その感覚すら夢だったのではないかと錯覚させる。


だが、それでも尚振動している携帯が現実だと言っていたー……

勇気をだして携帯を開く。

画面に映されていたのは、新着メールのお知らせ。その隣に移しだされている件数はあえて見ない。

というか、見る暇もなく次のメールが受信されてきた。
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