騙してみせて!
第2章
また、あの季節がやってきた。

あたしの大嫌いな季節が。


もう何回目なんだろう……?
数えるのも億劫だ。


蘇る"記憶"と、この季節独特の怠さが身体にのしかかる。

…しんどい。

春になると、
また一人、あたしの元から消えていく。

…待ってよ。

春は
あたしを心神耗弱のようにさせる。


だからあたしは。

…別れよ。

自ら棄ててやる―………
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