騙してみせて!

別れ

手続きは勿論紺野くんがしてくれた。


紺野くんはどこぞの金持ちなんだろうか?

普通の高校生なら絶対にありえない金額を払っていた。しかも現金で。

あたしはそこに驚いた。

今までの"彼氏"はカードで払ってたから。

でも、だからといって紺野くんが特別な訳ではない。

今まで通り"儀式"を終えたら、終わりの"捨て駒"でしかない。


「ナツエの我が儘でこんなに払わせちゃって。ナツエのお小遣いじゃ、到底払えない金額だし、なんかすごく悪くて」

いつものように謝る。
ナツエだけじゃなくて皆同じように謝る。

特別なんてない――
皆最後に行き着く場所は同じ。
"儀式"は平等に行われる。

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