騙してみせて!

貧乏少女

台所を除いて1つしかない部屋。

と言っても台所であるダイニングスペースの奥をあたしが勝手に区切って部屋にしただけなんだけど。

料理する意外はこの4畳半のスペースに篭る。


なぜなら、ここがあたしが仮面を被る場所であり、あたしが本当のあたしに戻れる場所だから。


あたしの居場所。

あたしの聖域。



ぐぅーー

「あっ…!」


お腹の音が鳴った。

お腹が鳴るなんていつものことだけど、声を出してしまったのは、今日の予定を決めたから。


あたしはさっそく漆黒のパーカーから携帯を取り出す。

そして慣れた手つきでメールを作成し、送信した。

なるべく短文で、
可愛いらしくをモットーに。
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