星は輝く・・・

肩をぐっと掴まれ、空と向かい合わせになった。


今まで見た中で一番真剣な目をしていて、逸らすことができない。



「強がってなんか・・・」





「じゃあなんで泣くんだよ!?辛かったから泣いたんだろ!?」




「・・・っ」



そんな的をついた事言われたら、言い返せないじゃん・・・。



俯いて、頭をフル回転させても返す言葉が見つからない。


なんで空はこう、あたしの弱い部分ばかりついてくるの。




本当は人前で泣く事も、本音や弱音を吐くのも大嫌いなのに、空はそれを許さないんだ。




すると、空があたしを抱き締めた。






「空・・・?」



下駄箱で抱き締められた時とはまるで違う。



呼吸を忘れるくらい強い力・・・。
苦しいって、言いたいけど言えない雰囲気。
一見華奢に見えても、やっぱり空は男の子なんだ。




あたしの首元に顔を沈めて耳元で囁かれた。





「俺のこと、もっと頼ってよ・・・」



思わず胸が熱くなった。

ねぇ・・・・・・
これは、あいつ等みたいな下心入りじゃないよね・・・?


あたしを慰めてくれてるんだよね?




あたしは空の背中に手を回して、小さく頷いた。



それを確認したように、空の力また強くなった。
だから、苦しいよ。

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