星は輝く・・・

空と言い合いしている内に、だんだん元気が出てきて、どんだけ立ち直るの早いんだよって、自分でも思った。







「――――さて、帰るか!!」



空は携帯をいじりながらそう言った。




「・・・え?なんで?」





「なんでって・・・帰るんだよ」



・・・・・・うーん・・・質問の答えになってないな。
でも、なんとく分かる。



あたしを気遣ってくれてるんだ。
空はそういう優しさがあるから・・・・・・。

せっかく好意だったから、あたしは素直に帰ることにした。


教室に帰る途中色んな人にジロジロ見られたのは、きっと朝の黒板のせい。




あたしって、超有名人だよね。
ここ数日で。





六組に着くと、空が“ここで待ってて”って言ってあたしの鞄を持って来てくれた。



「椿!良かったぁ~・・・どこにいたの!?」



教室の中の心があたしに気づいて、こちらまで駆け寄ってきた。



「屋上で、ちょっと」



「そーなんだ。・・・・・・つか空!テメー連絡すんの遅いんだよ!」




鞄を持って来た空を睨みつけて、一発叩いた。




「悪かったって。ずっとマナーモードにしてたんだもん」




顔の前で両手を合わせて、困った顔をする空は、本当に心には弱い。




この二人はまるで兄弟みたいだから、やり取りを見てると笑ってしまうこともある。



まぁ、どんだけ美形兄弟なんだって感じだけど。


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