星は輝く・・・

いつか空は振り向いてくれるんじゃないかって思って、ずっと頑張ってた。

でも空は他の女の子とも、あたしと同じように接していて、“好き”って言ってくる日は結局来なかった。





『由美、初めてなんだろ?別に無理してしなくてもいいよ』





空はそう言ってくれたけど、あたしは首を横に振った。




だって、あそこで“じゃあやめる”って言ったら、空はあたしとはもう会ってくれない気がしたから。




それなのに・・・・・・・・・・・・あたしは振られちゃってさ。





全部・・・春野椿のせいだ。




ムカついた。
本当にムカついた。



あたしはずっとずっと、空だけを見てたのに、あいつは、それを奪ったんだ。





数人でアイツを体育倉庫に呼び出しても、春野はしれっとした態度であたし達に文句を言ってきたから、生意気に思って殴ろうとしたら、若松が邪魔してきやがる。




若松は学年で一番怖い。
気に食わない奴を片っ端から潰していく。


特に春野のことになると、キレやすくなるんだ。



春野に近づく男には容赦なかった。



それでボコボコにされた奴もいる。




そんな奴がバックにいるなら、手の出しようがない。






だからあたしは頼んだんだ。



二年の男に、春野を傷つけてくれって。



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