星は輝く・・・
ちょっと前までのあたしじゃん。



「ど、どーしたの、その怪我!!」



そんな綺麗な顔してんだから、傷作っちゃダメでしょ!!!




「男の勲章だよ、ばーか」



なんてワケの分からない事を言う。




あたしに差し出された、二台の携帯。




一つはラインストーンなどで、派手に装飾され、もう一つは色が剥げてる部分が目立つ、黒い携帯。





「何?」




「昨日・・・写真撮られたんだろ?お前が消せよ」





その一言で、空の怪我も、二台の携帯の意味も全て理解できた。
なんで長谷川さんが命令したって分かったのかな・・・。





馬鹿じゃん、空・・・。




「うん・・・」



空からそれを受け取り、レイプされた時の写真を全部消した。




【削除しますか?】


それと一緒に、あの事も、削除できたらいいのに・・・・・・。



何の躊躇いもなく、強くボタンを押す。






あたしの為に、ワザワザ取ってきてくれたんだね・・・。


こんな怪我までしちゃって。




「・・・ごめんね」



あたしって、空に助けてもらってばかりだ。




「あの、俺謝られる為にしたんじゃないんだけど」




「だよね・・・ありがとう」



空は満足そうに、あたしの頭に手を置いて、くしゃくしゃと撫でた。



「ちゃんと言ってきたから安心しろよ。アイツ等、もう椿とは関わらないって」



可愛く笑う空はみたいにはなれなくて、あたしは両手で顔を覆った。



嬉しくて、安心して涙が止まらなかった。


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