星は輝く・・・
「いないみたいなので、リン役は渡辺さんに決定します。次に王子役ですが・・・・」





「はいはいはい!!空がいいって、それは~」




なんと、あたしが推薦にしようとする前に、派手なグループの女の子達が、空を推薦した。



それに悪ふざけして、空と仲良しの友達まで、“俺も神矢がいいとおもいまーす”とか、柄にもなく敬語使って言ってる。




あたしの思惑は、めちゃくちゃ上手く進んでる様子。





空はあからさまに嫌そうな顔してる。






「お前等ふざけんなよ!王子だとか寒いもんやんねーぞ!」





「神矢君、推薦に賛成した時点で、誰がなっても文句言わないって事なので、黙っててください」



にっこりと笑顔で威圧すると、空は悔しそうな顔をして、机に突っ伏せた。




後でなんか言われそう・・・。





クラスの皆も考えてる事は同じみたいで、美形コンビが劇の主役となった。




あたしは予想通り、監督。
なんだか二人には悪いが、あたしは一ミリたりとも演技の方には関係ない。



悪いと思っても、この二人が主役とは嬉しすぎる。




「もうすぐで夏休みに入りますが、決められた日にちに時間に遅れないで、ちゃんと来て下さい」



なーんて偉そうに言いながら、あたし遅れたらどうしよう・・・。




演劇の役者から大道具、衣装係など全部がスムーズに決まって、いつもより早くHRを切り上げられた。




「心ー、空ー、主役ガンバ♪」


二人にガッツポーズをとって、にっこり微笑む。




「うざ。俺当日休んでやるからな」



「はぁ!?ちゃんと来てよ!てゆーか夏休みもサボる気でしょ!」



怒るあたしを余所に、空は“当たり前じゃん”と即答。



ムカつく~~!



夏休み来ない来ないって連呼してる空だったけど、いざ夏休みに入り、準備の日になるとちゃんと来てくれた。



ダルそうだったけど、来てくれたから良いや。

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