星は輝く・・・
他クラスの人や先輩までが、空の私服チェックに来ててビックリした。
一年六組の廊下だけ、やたら女子が多いと思えばコレだ。
普通のTシャツにダボっとしたジーンズ履いてるだけなのに、“ヤバイ~超格好良い~!”とか言ってはしゃいでる。
「あっちぃ~。椿ー、それ貸して」
あたしが持参してきたうちわを、横からひょいと奪って、自分を仰ぎ出した空。
「ちょっ、あたしだって暑いんだから!」
取り返そうと手を伸ばすが、空が高い位置に手を上げてしまう。
二人でじゃれ合っていると、すかさず廊下で見てるだけのファンから、非難の声を浴びせられた。
「あれ誰ー?慣れ慣れしいし」
いえ、あたし一応幼馴染みなんで。
「うそ~・・・まさか彼女?」
それは何が何でもありませんってば。
「あたしだって喋りたいのにさ」
じゃあ喋ればいいじゃんか!
すると、空が笑いながら“そんなに俺とイチャイチャしたいわけ?”って言ってきたから、あたしはすぐさま離れた。
「うっわ、はやー」
「もういいよ。後でちゃんと返してよね」
若干睨みながら言うと、
「さんきゅー」
空はあたしに、極上の・・・・ある意味ハンパないくらいヤバイ笑顔を向けてきた。
・・・・・・可愛いから許してやろう。
多分、空ファンだったら失神して倒れてしまうんじゃないだろうか・・・・・。
空ってよく掴めない。
いつもこうやってガキのくせに、時々大人びて見えるし、頼れる時もある。
思わずドキッとさせられるし・・・。
なんか悔しい。
あたしだけドキッてするのズルくない?