星は輝く・・・
恐る恐る空をチラッと見ると、思った通り不機嫌そうな顔であたしを睨んでいた。




・・・・・・うぅ・・・今は空と目を合わせるのも恥ずかしい。





あたしが空を好きだったなんて・・・・・・・・・


嘘臭過ぎて信じられないもん。






あたしは小さく溜め息をついて、空とは別の仕事を選び、皆を手伝った。


空がいる台本暗記の手伝いは行かない。
心がいるから行きたいけど、無理だ。




昔からそうだけど、告白されると、どうも次から普通に接せなくなってしまう。



過剰に反応してしまうんだ。



避けるつもりは、ほんのちょっとしかないんだよ?





「春野~。これどうすんの?」




クラスの男子があたしを呼んだ。





「なに?」



その子はクラスの盛り上げ役の子で、気さくで優しい。



雄太っぽいんだよね。



「あのさ、看板って明るいのと暗いのんどっちがいいの?」





「そりゃ明るいのがいいよ!・・・・・・てか絵なんて描けるの?」



見るからに不器用そうだけど・・・って事は言わない事にしよう。





「舐めんなよー。俺絵はすげぇ上手いからさ!」




にっこりと笑う顔は屈託なくて、空みたいに嫌らしい事なんて知らないんだろうなぁ~、って思う。




爽やかな短髪に黒髪。
野球部らしい外見だけど、実はサッカー部。





する事もなかったあたしは、その子と一緒に看板を作った。

面白い話ばかりで、あたしはその度に爆笑した。




「何それ~!マジ有り得ないから!」


女だと言う事も忘れて、床に寝転んでお腹を抱えて笑った。




こう言う子と一緒にいると、“楽しい”。



でもね、空といると“息苦しい”んだ。


自分でもよく分からないけど、空は他の男子と違って、時々苦しくなって、切なくなる。


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