星は輝く・・・
*   *   *



今日は夏休み一発目の、文化祭の準備。




“行かねー”って言ってたけど、椿が困るから行かないわけにはいかない。



朝教室に行くと、ソウタが何かを持ってこっちへ来た。




「よう空」



片手を挙げて白い歯を見せて笑うソウタ。

ソウタはクラスで一番仲が良い友達だ。
それなりに派手だけど、根は良い奴。




俺の返事も聞かずに、ソウタは一枚の紙を俺に渡してきた。


小さく折りたたまれたそれは、見るからに女が買うようなメモ帳のデザイン。




「誰?女だろ」




「恵子先輩から」




恵子とは、俺の元セフレ。
一個上の先輩。


理科準備室でヤッたあの人。



俺はいらないと言って、ソウタに紙を突き返した。


どうせ話があるとかそんな所だろ?





するとソウタは“ちゃんと連れて来いって言われたんだって~!!”と言って俺にしがみ付いてきた。



やっぱり呼び出しの伝言かよ・・・。




「なんだよウゼーな!行かないっつってんだろ」



振り払おうとするが、コイツは力だけは強くて振り払えない。





「頼む!空が行ってくれなきゃ俺の命が危ないんだって!」



必死にソウタが頭を下げるのも、理解できる。



恵子はめちゃくちゃ怖い。



一回キレたら物投げてくるし、携帯の電話無視ったら、次の日はさんざん罵声を浴びせられた。

土下座させられた男もいるらしい。


なんか、女王様って言葉がピッタリだ。



常に上から目線で、人使いが荒い。



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