星は輝く・・・
面倒くせーったらありゃしねーよ。




椿のうちわで扇ぎながら廊下を歩いて行った。
先に来ていた恵子は壁にもたれていたが、俺に気付き、ぱっと顔を上げた。




「・・・話って何?」





恵子は相変わらず綺麗な顔立ちをしている。



少し俯くと、睫の長さがハンパない事にも気付く。





「なんで・・・やり直してくれないの?」





一斉送信のメールで一番しつこかったのは、恵子だった。




返しても返しても苦情ばっかりのメールが返ってくるから、いい加減ウザくなってブチった。




「飽きたから・・・じゃねーの?」




ここで優しい言い方しても、恵子は絶対引かない。
むしろまだ気があるんじゃないかって、勘違いしてしまうタイプだ。


今まで蝶よ花よと育てられてきた恵子は、それなりにナルシストだし、何に置いても自身がたっぷりだ。





「何それ・・・サイテー」





「うん・・・最低だよ」




恵子は口をへの字に曲げて、拗ねた顔をした。





分かってるよ。
自分がどれだけ最低か。



それにやっと最近気付いたんだ。




由美や恵子みたいにセフレを持ち掛けてくる女は、それなりの覚悟を決めてる奴もいたんだ。



特に由美がそうだ。




アイツは俺とそういう関係になった頃、まだキスの経験もなければ、その先なんて当然なかった。




それを知ってからなるべく由美と会うのも止めた。
中学三年になってから、俺と由美は初めて体を重ねた。




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