星は輝く・・・
そんな健気な気持ちを利用するのが、どんだけ最低だったかって、今更気付いた。



椿を好きになってから、本気の奴に遊ばれるのって相当キツイだろうなって。




「セフレのことは、ごめん。俺が悪かった」





うちわで扇ぐのを止めて、恵子の目を見た。





「・・・・・・」




大きな瞳に一杯の涙が溜まっていて、瞬き一つで零れそうだ。





・・・・・・恵子も、俺が好きだったんだ。


由美と同じパターン。
告白してきて振って、じゃあセフレ。
みたいな流れだ。




なんで、もっと一途になれなかったんだろう。
なんで人を傷つける事しか出来ないんだろう。



「最後にキスしてよ・・・・・・それか、好きって言ってくれたら、もう諦める」






俺は伸びてくる恵子の手を振り払わなかった。




いや、振り払えなかった。




もう最後。
これで汚い事は最後にする。




これは今までの懺悔。







―――――・・・・・・




教室に戻って、ソウタ達がいる所に行った。



「おい、恵子先輩なんだって?」




ソウタがそう言うと、周りの奴等も“どーだったんだよ”とか何も知らないくせに聞いてきた。






「別に何もねーから。お話してきただけ」





「うわ~。神矢の事だからまたヤろうとか約束してきたんじゃねーの~?」





「うっせーな。俺はもうそんな事しねーんだよ」





それを聞いてこいつ等は顔を見合わせて、爆笑し出した。


きっとお前には無理ってことだろう・・・。



全く持って失礼な奴等だ。

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