星は輝く・・・

「つかお前こっちの係じゃなくて、王子様だろー?」



嫌味っぽくニヤニヤ笑うソウタ。




・・・元はと言えば、俺が王子役をしなければなくなったのは、ソウタの所為だ。




女子が俺を推薦したって言うのもあるけど、その後に一推ししたのはコイツだ。

マジであの時は殺そうかと思った。




「台本は明日覚えるからいんだよ。初日からあんなもん出来るかよ」



ああ・・・本当にやりたくねー。
昔からそうだけど、幼稚園の学芸会も、中学の文化祭の劇も、全部俺が主役だった。


それも王子様みたいなやつばっかり。
本当はそう言う柄じゃないのに。




「王子様は主役もう何回もやってるもんな」



「・・・やりたくてやってるんじゃねーし」




どんなに反論しようが皆お構いなしだもんな。





しかも、今回はキスシーンあるんだぜ?
もちろんするフリだけどさ。
心なんか絶対キレるだろ。



『なんでこんなキショイ奴に近づかなきゃなんねーんだよ!!』




とか言って。



どうせなら椿がリン役の方がおいしかった。






「でも渡辺とペアなんだから全然いいじゃん」




「だよなー。渡辺とかヤベぇよな!一回でいいから付き合いて~」




「姫様と一緒なんだから贅沢言うなよ!」




姫様って・・・・・・・・・・・・。



心は姫とは程遠いだろ。
外見姫だけど、中身は王子だ。
そこら辺の男なんかよりカナリ男らしいし、正義感強いし、椿が惚れ込むのも分かる。




心は男女問わず人気。




「はいはい。お前等は指銜[クワ]えて見物してろよ」





皆から羨ましがられるこのポジション。
でもいくら美人でも、椿じゃなきゃ喜べない自分がいる。



いつからこんなに惚れたんだか。




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