星は輝く・・・
「でも、空はあっちの方が“らしい”よ。無理に変わろうとしなくてもいいじゃん」






“らしい”ね・・・。



知ってるよ、それくらい。





「・・・・・・・・・・・・」




返す言葉も見つからねー。




まさか椿に見られてたとはね。



俺は椿から顔を逸らす。





どういう風に言えば分かってくれるんだろう。
今は何言っても、言い訳にしか聞こえないだろうな。




「――分かった・・・・・・」




なら、俺の気持ち知ってもらう以外、どうしようもない。



アイツとは何もなくて、好きなのは椿だって知ってもらえば、なんとなく丸く収まりそうだったから。





とことんセコイよな、俺。





「じゃあ、今ここで言う」





後悔すんなよ?
言わせたのは椿なんだからな。



椿は顔を上げて、俺の目を見た。





眉を八の字にして、潤んだ目。



なんつー顔すんだよ。




胸の辺りがきゅってなって苦しくなる。



夕焼けを背景に、絶好の告白のシチュエーション。
椿にあんな事があった後に、告白なんて卑怯だ。



でも俺の気持ちも知っといて。







「好きです。俺と、付き合って下さい」




人生で二度目の告白。
柄にもなく敬語なんて使ったのは、緊張したから。
本当に好きだったから。



< 147 / 161 >

この作品をシェア

pagetop