星は輝く・・・
次の日は、朝から椿にあからさまに避けられた。
ぶっちゃけムカついた。
俺を避けるくせに、他の男と仲よさそうに話すし。
しかも二人で看板製作ですよ。
心とその他大勢の役者と一緒に台本覚えてるんだけど、あっちの方が気になってしまう。
男が何か言うと、椿は床に寝転んで爆笑した。
「はあ!?」
思わず一人で大声を出してしまった。
「うるさいな。急に何よ」
隣の心や周りの奴が俺を見る。
「あ・・・悪い」
アイツ何してんの!?
普通男の前で寝転ぶか!?
誘ってるどか誤解されたらどーすんだよ!
しかも短いジーンズ穿いてきやがって!
だいたいもうちょっと露出は控えるもんだろ!?
台本に目を通すが、気になって集中できない。
時々アイツが椿の頭叩いたり、椿が肩叩いたり。
「あああああ~!!意味わかんねー!ムカつくんだよ!」
また大声を上げると、心に腹を殴られた。
「ちょっとは黙って覚えろよ」
鋭い目つきで俺を蛇睨みする心は、マジで怖い。
俺は小さくなって“すんません”と言って台本に集中するが、やっぱり気になって無理だった。
昼になって休憩に入ると、心が俺に近づいてきて、いきなり耳を引っ張ってきた。
「いてててて!!何すんだよ!?」
俺から手を離して、心はニヤッと笑った。
そして、小さな声で耳打ちした。
「アンタ・・・椿の事好きでしょ」
「は・・・?」
ヤバイ。
普通にバレてる。
しかも心に。
やたら鋭いとは思ってたけど、なんでバレた?
「さっき椿仲良さそうに話してたよね~。空とは違った真面目そうな奴とさー」
意地悪く笑って腕を組む心は、悪魔そのものだ。