星は輝く・・・
椿が困ってるのは分かる。
どうしたらいいのか分からないってのも分かる。
でもここまで避けられると、俺もムカつくわけよ。
完全に火が着いた俺は、椿を全力疾走で追いかけた。
「何、逃げてんだよ!!てめぇふざけんなよ!?」
人ごみの中走りながら怒鳴る俺は、カナリ変な目で見られている。
「何よ!こっち来ないでよ馬鹿空!!」
「嫌だね!!誰がお前の言う事なんて聞くかよ!!」
俺等を見てクスクス笑ってる女や、“神矢が拒否られてるよ”とか満足そうに笑う男もいる。
くっそ!俺に余計な恥かかせんなよ!
「馬鹿!馬鹿!変態!」
さっきから同じ事しか繰り返して言わない椿。
「っ待てよ!!」
やっと追い付いて、椿の細い腕を掴んだ。
椿は息切れいていて、肩で呼吸してる。
疲れてか、椿はもう抵抗しなかった。
「・・・はぁ・・・っしんど」
「お前が逃げるからじゃん」
そう言って腕を引っ張って、近くにあった使われていない会議室に入った。
「・・・・・・なんでここ?廊下でもいいじゃんか」
「お前どーせ逃げるだろ?」
中には誰もいない。
俺と椿の二人だけ。
てか、誰かいるならこんなこと来ないし。