星は輝く・・・

「それ・・・誰の事言ってんの?」








また、渚かよ。









「ごめん・・・空に言う事じゃなかったよね」





椿は耳に髪の毛を掛けて、ふっと切なそう笑った。







「最後の質問・・・・・・・・・・・・・・空は、あたしを裏切らないって、言い切れる?」





そんな質問、愚問だろ?
笑えるほど、簡単な問題。
そんなの考えなくたってすぐに分かる。



心のあの命令も、この質問も簡単すぎるんだよ、馬鹿。







「裏切れるわけないだろ?」




その言葉に、椿は口元を緩めて、照れたようにはにかんだ。




その笑顔も、俺のツボ・・・・・・
つか、椿の全部がツボ。





すると、椿が俺の前まで近づいてきた。
近くなった距離。
それでも椿は、まだ俺に近づく。




背伸びをして、そっと俺の首に腕を回す。
そして、耳元で囁いた。







「あたしを空の彼女にして下さい」






俺は小さい体をぎゅっと抱き締めて、少し屈[カガ]んだ。



「俺の告白、聞いてたっしょ?」




「うん。・・・好きだよ」





「俺も」





椿は背伸びを止めて、腕を離した。
俺は離さないけど。


顔を上げて俺を見る目は、また潤んでる。



だから、その顔やめろって。





頬にキスをして、離れた。





・・・・・・これ以上の密着は危ないんで。
心にまだ潰されたくないし。


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