星は輝く・・・


全身の痛みがあたしを襲う。
俯いて、歯を食いしばりながら必死に痛みに耐える。


あたしの膝からは、擦りむけて血が出ていた。




「・・・っく・・・ひく・・・」


涙を堪え切れず、あたしは泣いた。
痛い・・・・・・渚は暴力で事を運ぼうとするんだね・・・。
前だって、あたしを殴った。

昔から凶暴だったけど、あたし達には特別優しかった。
だけど、そんな渚はもういない。

あの頃のあたし達は、もういないんだ。




泣いてるあたしにお構いなしに、渚はまた近づいてきた。




いやだ・・・触らないで。




「・・・なに、してんだよ・・・?」




ふいに聞こえたあの男の声。
顔なんて見なくても、この聞きなれた声だけで分かる。



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