星は輝く・・・
涙で視界がぼやけてもあたしは
下駄箱まで歩き続けた。
もうどうでもいいよ。
なんか、全部どうでもいい。
何もかもがどうにでもなればいい。
曲がり角を曲がり、1年の下駄箱を見る。
――――ざぁ・・・
え・・・?
涼しい風が彼の金色に近い髪の毛を揺らす。
下駄箱に背をもたれている姿は、なんだか大人っぽく見えた。
あたしに気付いて、こちらをちらっと見た。
やっぱり彼は相当整った顔立ちで、
例えるなら、まるで王子様。
「ほら、大丈夫じゃないじゃん」
「・・・空」
帰れって言っても、やっぱり残ってくれてた、
空の優しさを感じた。
いっつもは口喧嘩ばっかりで、女遊びは激しいし、
ガキくさいし・・・・・・。
でも、さりげない優しさが、この時のあたしには、
堪らなく嬉しかった。
空に見られたくなくて、あたしは目の下に力を入れて、
これ以上涙が流れないようにした。