星は輝く・・・
しばらくこの体勢でいると、流石に他の生徒も来るはずで、
「お~神矢、こんなとこで何やってんだよー!」
空の背中の方から男子生徒数人の声がした。
多分、空の友達だろう。
空は顔だけ振り返ってあたしの顔が見えないように、
自分の鎖骨あたりにあたしの額をを押し付けた。
「お楽しみ中~。お前等邪魔だってのー」
ふざけた事を言って笑う空。
ぎゃはははと下品な笑い声をさせる男子生徒は、
何の用もなかったのか、少し話してまたグラウンドに戻って行った。
「危ねー。椿ってバレる所だった」
あたしと間違えられたら迷惑かよ。
失礼な奴だ。
「ごめ、もう大丈夫だから帰るねっ!」
空から慌てて離れて、顔を隠すようにして、下駄箱から靴を出した。
今思ったら、あたし何してんの!?
いくらなんでも自分から空の服掴んだりさ・・・!
馬鹿じゃん!
ヤバイ・・・
「椿?」
ヤバイ。
「おい、保健室」
ヤバイ。
あたしは無視して出ようとすると、空に腕を掴まれた。
「シカトしてんじゃ・・・」
急に顔を覗き込んできて、益々心臓が跳ねた。
顔が赤いことに気付き、空は一瞬だけ動揺したように見えた。
最悪・・・・・・。
そう、あたしは空の何に意識したのか分からないけど、顔が真っ赤になった。
「え、お前・・・顔」
単語だけ言われても分からないけど、
多分顔赤いって言いたいんだろう。
「うるさい!」
空から顔を逸らして手の甲で顔を冷やす。
真剣にヤバイ。
空を初めて意識してしまった。