星は輝く・・・
保健室に入ると、そこには誰もいなくて、
あたしは脱力した。




・・・なんだ、いないじゃんか。



「いないみたいだな、サクラ先生」


空が言うサクラ先生とは、保健の美人な先生のことだ。
空はサボリで保健室常連だから先生とは親しいみたい。



「うん、職員室かな」



“そーだろ”と言って空はベッドに腰掛けた。
あたし、帰ろうかな・・・。
なんか、面倒くさいし。

溜息をついて、空に帰ると言おうとした時、サクラ先生が保健室に入って来た。



あからさまに嬉しそうな顔をする空。
ほんと馬鹿じゃん。


「あら、神矢君来てたのね。春野さんも、どうしたの?」


サクラ先生はにっこりと綺麗に微笑む。
ちょっと嫉妬しちゃうくらい、綺麗すぎる・・・。

サクラ先生は可愛いと言うよりも、綺麗と言う言葉の方がしっくりくる。


大和撫子?みたいな、そんな感じ。
羨ましい・・・大人っぽいし、仕草や話し方まで綺麗・・・。


あたしの憧れの女像。



「はい、ちょっと怪我しちゃって・・・」


「そう、何処が痛む?」


背の高いサクラ先生は小柄なあたしに近づくと、尚更デカく見える。
あたしってば、貧相に見えないか?




「左肩とか、膝が痛いです」



それを伝えると、急にサクラ先生は空に、悪いけどちょっと廊下で待っててもらえるかな?、と言った。


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