星は輝く・・・
お礼とさよならを言って保健室から出ると、空が待っていた。
「おせーよ馬鹿ちんが」
可愛くない発言にむっとなり、“先部活行ってれば良かったじゃん”と言った。
うわ、あたしの方が可愛げ0だし。
「俺もう部活抜けるから戻んねーし」
「え?あ、用事あるの?」
じゃあ、尚更待っててもらって悪かったな。
「ねーよ」
じゃあ・・・なんで?
「またラブホでも行くの?」
「ちげーよ馬鹿!お前を家まで送るんだよ!」
空の言葉にあたしは“えぇ!?”と驚く。
流石に家まで送らせるのは悪すぎるって!
助けてもらっときながら、可愛くない発言もしまくってんのに!
「俺は性欲の塊か」
「て、てかいいよ!そこまでしてもらわなくても!
部活行って来なって」
あたしの先を歩く空の背中は止まることなく歩く。
優しいけど、強引だな!
体育館まで来ると、空はここで待っててと言って中へ入って行ってしまった。
中を眺めていると、しばらくして制服に着替えた空が一人の男と話しているのが見えた。
キャプテンだろうか。
その周りの年上らしき人が空の頭を叩いたり、ぐしゃぐしゃと撫でたり・・・
茶化してるように見えるのは、あたしだけだろうか。
あたしの方を見てニヤニヤ笑ってる人もいる。
何の勘違いしてんだか・・・。
普通に有り得ないから。
「わり、待たせて」
ゆるゆるに着崩している制服姿は、だらしないのに、空なら格好よく見えるのは、何故だろう・・・・・・
顔がいいからに決まってるか。
「いや、いいけど、本当に大丈夫?」
「おう、さっきおちょくられたけど大丈夫」
やっぱりね。
校門まで行くと空は自転車置き場に行って、自転車を取ってきた。
その日は空に後ろに乗せて帰ってもらった。
“パンクしても知らないから”
って言うと、爆笑した空。