未来日記に憧れて
fortune Day
私がどんなに悲しんでも、苦しんでも、時間は変わらず過ぎていくもので……。
就業時間終了と共にパソコンの電源を切ると
「はぁ……」
大きなため息をついた。
「なぁに、そんな大きなため息ついて。最近元気ないじゃん」
通りがかりの美加ちゃんがオーバーリアクション気味に反応する。
「だってぇ」
「ため息1つつくと、幸せが1つ逃げて行くんだよ」
「そんなぁ」
もう幸せ1コ逃げちゃってるけど、ってか逃げるどころか不幸が1つやってきてるけど。
「気晴らしにどっかお茶でも行く?」
「ううん、大丈夫だよ」
心配してくれてるのわかるけど、とてもそんな気分にはなれないから美加ちゃんには丁重にお断りをして会社を出た。
電車を待つ間、読み返すのは守さんからの最後のメール。
こんなの大事に取っておいちゃって。女々しいの、自分。とっとと消しちゃえばいいのに。
言い聞かせるけど頭をよぎるのは守さんの笑顔ばかり。
本当に悪いと思ってるのかな?また私を騙そうとする罠だったりして。
こんなメールじゃなくて、直接話を聞きたいよ!守さんに会いたい……。
わかってるのに、自分の心が抑えきれなくなりそうだった。
メールに返信を、と思ってふと気付く。
私…守さんの連絡先、知らない……。
心にグサッと何かが刺さるようだった。
ボーっとしてると電車がやってくる。ドアが開いて人が降りると、習慣で無意識に乗り込んだ。
いつものようにホーム側を向いて座席の前に立ち、吊り革につかまる。
所詮イタズラ。私は晒し者にされただけ。
そう思い込んでケータイを閉じ、顔を上げた瞬間、
幻…覚……?
守さんが視界に入ったのだ。
彼は反対側の電車に乗ろうとしている。追いかけようと慌ててドアの方に向かうが、寸前で閉まってしまう。
「守さん!」
ゆっくりと動き出した電車の中から叫んだ。
すると視線を感じたのか、守さんがこっちを向いて私に気付いた。
彼も何かを叫んでいる。お互い追い合う視線。
戻らなくっちゃ!!!
就業時間終了と共にパソコンの電源を切ると
「はぁ……」
大きなため息をついた。
「なぁに、そんな大きなため息ついて。最近元気ないじゃん」
通りがかりの美加ちゃんがオーバーリアクション気味に反応する。
「だってぇ」
「ため息1つつくと、幸せが1つ逃げて行くんだよ」
「そんなぁ」
もう幸せ1コ逃げちゃってるけど、ってか逃げるどころか不幸が1つやってきてるけど。
「気晴らしにどっかお茶でも行く?」
「ううん、大丈夫だよ」
心配してくれてるのわかるけど、とてもそんな気分にはなれないから美加ちゃんには丁重にお断りをして会社を出た。
電車を待つ間、読み返すのは守さんからの最後のメール。
こんなの大事に取っておいちゃって。女々しいの、自分。とっとと消しちゃえばいいのに。
言い聞かせるけど頭をよぎるのは守さんの笑顔ばかり。
本当に悪いと思ってるのかな?また私を騙そうとする罠だったりして。
こんなメールじゃなくて、直接話を聞きたいよ!守さんに会いたい……。
わかってるのに、自分の心が抑えきれなくなりそうだった。
メールに返信を、と思ってふと気付く。
私…守さんの連絡先、知らない……。
心にグサッと何かが刺さるようだった。
ボーっとしてると電車がやってくる。ドアが開いて人が降りると、習慣で無意識に乗り込んだ。
いつものようにホーム側を向いて座席の前に立ち、吊り革につかまる。
所詮イタズラ。私は晒し者にされただけ。
そう思い込んでケータイを閉じ、顔を上げた瞬間、
幻…覚……?
守さんが視界に入ったのだ。
彼は反対側の電車に乗ろうとしている。追いかけようと慌ててドアの方に向かうが、寸前で閉まってしまう。
「守さん!」
ゆっくりと動き出した電車の中から叫んだ。
すると視線を感じたのか、守さんがこっちを向いて私に気付いた。
彼も何かを叫んでいる。お互い追い合う視線。
戻らなくっちゃ!!!