未来日記に憧れて
隣りの駅で電車を降り、すぐさま反対側の電車に乗り込む。さっきの駅に着き、ホームで守さんを探すけど、姿は見えない。
もしかして私の後を追って隣の駅に!?もう一度行ってみよう。
再び来た電車に乗り、一駅隣りへ。
そこのホームも隅から隅まで探し、次の電車が来て。降りる人波の中を探しても、守さんは見つからなかった。
どうして!?こんなに会いたいのに。……もしかするともうこの近くの駅にはいないのかな?
最後の望みをかけて最初の駅に戻るけど、やっぱり守さんの姿は見当たらなかった。

淋しさと疲れがこみ上げて、ぺたりとベンチに座り込む。
もう…二度と会えないのかな……?
溢れ出る涙。しばらく動けず、電車が到着しては、人の波が出入りして。
寒さも身にしみてきて、更に沈んだ頃、
「ココに居た……」
聞き覚えのある声。
顔を上げると、息を切らせた守さんが居た。
「……どう…して?」
きょとんとする私に、守さんは優しく微笑みかけて
「ずっと探してた」
その言葉を聞いた瞬間、私は守さんに抱きついていた。
「ゴメン……ゴメン……」
ずっと謝り続ける守さん。
何て返していいかわからず、私はただただ首を横に振っていた。
守さんの声。守さんの匂い。初めてふれた守さんの大きさ、暖かさ。
今までずっと抑えてた気持ちが溢れ出して
「好き。大好き」
守さんは少しビックリした顔をして
「……俺で……いいの?」
私は大きく頷いた。
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