夢列車
「ああ、これですか?」
そう言って翔は照れた風に頭を掻いた。
あり? 意外と悪くない質問だった?
「その、笑わないで下さいよ?」
「うん」
恥ずかしそうに念を押す翔が可愛らしくて、私は少しだけ冷静になれた。
「これは歌の詩です……自作の」
「自作の詞?」
「そうはっきり言われると恥ずかしいですね」
あはは、と翔は本当に恥ずかしそうに笑った。
私もつられて自然笑顔になる。
「カッコいい! 翔もバンドかなにかしてるの?」
それにも翔は恥ずかしそうに、
「いやぁ、音楽活動はやってないんですよ」
「あ、そうなんだ」
ちょっと予想外だった。
バンドはさすがに翔のスマートなイメージに合わないけど、ピアノとかバイオリンは似合ってそうなのに。
もったいないと思う私に、今度は翔が質問をしてきた。
「梨花さんは何をやってるんですか?」
「え?」
「さっき翔も、て言ってたので」
しまった……。
私はしどろもどろになってしまう。
口を滑らせたことにやっと気付いた。
腹をくくって素直に喋る。
「えっと、友達と。かじったぐらいだけど」
本当のことだ。
まだ練習したことないだけで。
でも、
「お友達とですか。素敵ですね」
そんな風に楽しそう、むしろどこか嬉しそうに笑いかけられたら突っ走るしかないではないか。
「ちなみにパートはなんですか?」
「えっと、ギター……だけど」
まだ触ったことないとは言わない。
おかしい。
さっきからペース乱されっぱなしだ。
いつもならここまで追い込まれるほど墓穴は掘らないのに。
翔に会ってから調子が狂いっぱなし。
私は、おかしくなってしまったのだろうか?
そう言って翔は照れた風に頭を掻いた。
あり? 意外と悪くない質問だった?
「その、笑わないで下さいよ?」
「うん」
恥ずかしそうに念を押す翔が可愛らしくて、私は少しだけ冷静になれた。
「これは歌の詩です……自作の」
「自作の詞?」
「そうはっきり言われると恥ずかしいですね」
あはは、と翔は本当に恥ずかしそうに笑った。
私もつられて自然笑顔になる。
「カッコいい! 翔もバンドかなにかしてるの?」
それにも翔は恥ずかしそうに、
「いやぁ、音楽活動はやってないんですよ」
「あ、そうなんだ」
ちょっと予想外だった。
バンドはさすがに翔のスマートなイメージに合わないけど、ピアノとかバイオリンは似合ってそうなのに。
もったいないと思う私に、今度は翔が質問をしてきた。
「梨花さんは何をやってるんですか?」
「え?」
「さっき翔も、て言ってたので」
しまった……。
私はしどろもどろになってしまう。
口を滑らせたことにやっと気付いた。
腹をくくって素直に喋る。
「えっと、友達と。かじったぐらいだけど」
本当のことだ。
まだ練習したことないだけで。
でも、
「お友達とですか。素敵ですね」
そんな風に楽しそう、むしろどこか嬉しそうに笑いかけられたら突っ走るしかないではないか。
「ちなみにパートはなんですか?」
「えっと、ギター……だけど」
まだ触ったことないとは言わない。
おかしい。
さっきからペース乱されっぱなしだ。
いつもならここまで追い込まれるほど墓穴は掘らないのに。
翔に会ってから調子が狂いっぱなし。
私は、おかしくなってしまったのだろうか?