童貞狂時代

無

無口症でつらかった。二十歳以降にしっかり後遺症もでた。無口で言葉がでなくなる自閉症のような感じではあるが学校の勉強には支障がでなかった。もっと一般的に言うならば対人恐怖症。　
　高校3年間は無口症で過ごした・・。息が詰まった。いつも緊張していたし、いじめられるのが怖かったし、友人や楽しそうなクラスメイトが羨ましくて仕方なかった。
「なぜ？！自分はこんなにも暗くマイナス思考なのだ」
ほかのクラスメイトはみなエリートでまじめとはいえ10代のエネルギーが迸っていたし、慶応志木高校1年次256名の中で僕のように日々鬱々とし暗く、黙り込んでいる青年は他にいなかった。慶応志木高校は男子校。女の子もいなかったから余計沈んでいたのかもしれないな、僕は根っからの弟気質で姉とか気が強い女性に頼って生きている部分が幼い頃からあったから共学だったらもうちょっとましな高校生活だったかもしれない。
　高校1年の夏休み開けて2学期の秋、11月に、恐れていたことが起きた・・仲良しグループでトランプをしていたら僕が負けに負けて、「魔王、魔王」などとマイナスが込んでいるというということもあり呼ばれてさんざんからかわれてしまった。そしてそのからかわれたことに思わず怒ってしまった。そしたら「藤井は多重人格だ！！」「いまはアキラなのゆたかなの洋次郎なの？？」などと余計にからかわれてしまった。僕にとってはやはり辛い体験だった。