童貞狂時代
Kは3年間ことあるごとに僕を「多重人格」とHといっしょになって言ってきた。Kは自らのホームページの友達紹介(ネット上なのに何故か全員実名)で藤井洋次郎→浮いている、浮力5段階評価で5などと書いてきたこともあった。そのホームページの件は高校3年の終わりなのでほんとに最後のほうのことなのだが・・・いちばん僕には堪えた・・「結局そうといかみていなかった」と高校最後にKからすれば、藤井洋次郎など友達でもなんでもなく浮いているからおもしろがってからかうためにつるんでいたいやつるませていた・・・ということだと思い知らされた。
 いまKは幸せな結婚もし一流企業に入社し、京極夏彦のような一流の作家への道を歩んでいるらしい・・。
 一方僕はクリスマスだというのに独りで朝から喫茶店でこんなことを書いている・・。
 僕は、彼女もいなくて、無職でデブで、対人恐怖症の精神科通いで、なんの才能もないらしい(TSに高校卒業後2人で会ったときに言われた・・)。
 「藤井君にはなんの才能も感じないんだ・・・」18歳の冬ファミリーレストランでTSに面と向かって真顔で言われた。「Kは天才だ。松本人志に似ている、鬼才だ」真顔でそういうTSに「そうかな~違うと思う」と僕が言うと「藤井君にはなんの才能も感じないんだ」とすかさずTSに言われてしまった。
 そしてTSが言うにはTS自身もとんでもない天才らしくなんでも18歳の時点で将来、TSが鬼才映画監督になるのが確定していて、仲良しグループ高校卒業後のお泊まり会(参加者6名)の夜中には、Kに向かってTSは「俺もおまえも鬼才だろ?!」といいKははにかんでいた。僕は横目でそれをみていた。心の中では「僕にはなんの才能もなくてTSとKはとんでもない鬼才でなにかの運命で2人はであったのか・・・~にしてもちょっと都合良すぎない!?」などと
思っていた。
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