ラブ・エンプティ
送信完了画面を確認してすぐ、さやかから着信が入る。
「おつかれー、あのねこの間ちっちゃいショットバー見つけたの。
マスターもお客さんも気さくな人で、すみれチャンも気に入ると思うんだけど行かない?」
「場所はー?」
「広瀬沿いの、ほらケーキ屋があるでしょ?
そこの裏手!」
「へえ、あの辺にお酒飲めるとこなんてあったんだ。」
「うん、あと10分くらいで駅着くから、そのケーキ屋ら辺集合でいい?」
「了解ですー、たぶんあたしもそれくらいで着くはず。」
「はーい、じゃあまたあとでねー!」
電話を切るとよりいっそう寒くなったような気がして、しっかりとマフラーに顔を埋めた。
寒さに反して、足取りは軽い。