★シンデレラガール★
曖昧に返事をして、
会話をしていると
学校についた。
横を見ると、手鏡で念入りにメイクをチェックするえれなの姿
私の視線に気づいたのか、
「なに?」
「いや別に。
凄いなと思って(笑)」
「美麗が化粧薄すぎなんだよ~
でもそんなんで通用する顔が羨ましいわぁ」
確かに私はほぼスッピン。
でも私の顔が羨ましいなんて…
私にとっては、えれなが羨ましいのに…
「さぁ!
早く行こうよ!
私の大好きなイケメン君が待ってるわ~」
「ちょっと待ってよ!
えれなぁ~~」
クラスに入ると、転校生の話題で持ちきり。
その中で私はポツンと座っていた。
するとー…
「よぉ!美麗!
またぼーっとしてるな」
「してません!」
男子の中で唯一話せる相手が
谷岡 健人(タニオカ ケント)。
中学の時、一緒の美術部で、
1番初めに私の絵を
真剣に見つめた後、笑顔で
「君みたいに、
華やかで綺麗な絵だね」
って眩しい笑顔で誉めてくれた人。
いつも、皮肉っぽい感じに誉められていただけの私の絵を
誉めてくれた。