樹の下で、君を想う。
ザッ
まだ授業は終わってないというのに
人の気配がした
だれだろうと思いながら後ろを見ると
そこにはさっき麗奈と見た
拓真という人がいた。
そこまでかっこいいわけじゃないけれど
茶色いふんわりとした髪
吸い込まれそうな優しい目
整った顔
私はその容姿にすっかり見とれていた。
―――――キーンコーン―――――
「美由ぅー
遅くなってごめんね?」
その声で振り返った
「大丈夫大丈夫!食べよ」
「あ、そういえば麗奈」
「ん?」
拓真って人いるよ!
そう言おうとしたけど
振り返ったらもう
姿はなかった。
これが私と拓真の出会い