実らない片想い
~紗々の恋と友情~
――結局、電車の乗り合わせが良くて、本鈴が鳴る5分前には学校に着いた。
『…よしっ!』
教室のドアを開ける前に気合いを入れる。
――ガラッ
「あ!紗々~!携帯出ないから心配したんだよ~」
ドアを開けた瞬間、茜が駆けよって来る。
「ごめん…携帯充電するの忘れてて…」
「そうなの!?もう!いっぱい電話しちゃったじゃん!」
むくれる茜。
『ごめんって…。そういえばビックニュースってなに?』
あんなに電話かけてくるようなニュースって…?
「あ、そうそう!見てよあれ!」
茜が指差す方を見る。
『え……?』