実らない片想い ~紗々の恋と友情~
『あぁ…矢野さんね…』

「よく知ってんね!私全然、クラスの人の名前分かんないよ」

『同じ中学だったから。あたしだって、全然分かんないよ!』

――入学してから1週間が立つ。

どんどん、友達のグループが出来上がっている中、彼女は1人ポツンと座っていた。

「そっか」

『うん。喋った事無いけど、あたしの友達が同じクラスだったから』

そう、だからたまに話しには聞く事があった。


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