君が笑うなら


はあっ、と
行き場のない気持ちに
ため息をついて、
煙草に火をつけた。


そのときだった。


「…っきゃあっ」



近くで女の叫び声がした。

まさか、まさかなんて
頭の中で思ってみたけど、
その悲鳴の主が相原舞かなんて
本当は声聞きゃ一発で。



「だから
物騒だっつってんのに…っ」



火をつけたばかりの
煙草を投げ捨て、
俺は声のする方に
走っていった。


< 24 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop