君が笑うなら

「ちょっ…
離してくださいっ」

「可愛いリアクションじゃん♪
ちょっと遊ぼうよ〜」

「もう本当に…、
…あっ!!」


俺に気付いた相原舞が
目を輝かす。
そしてその視線につられて
振り返ったのは…


「…早瀬」


悪友の早瀬だった。


「おぉっ、伸也ぁ!
この子かわいーと思わね?」

「…あぁ」


何も知らない早瀬は、
俺もナンパの仲間に
入れようとしている。


「早瀬…
ちょっと来てくれ」

「んー?なんだぁ?」


早瀬が相原舞の手首を放した。



バキッ



「きゃっ」


「ってー…
何すんだよっ」

俺に不意討ちに殴られ、
倒れ込んだ早瀬が起き上がる。


「おい、早く帰れ」

「…え……?」

「帰れっつってんだよ!」

「……っ」



相原舞が走り去ったのを見届け、
俺は早瀬に向き直った。



「おい伸也、どういうことだよ」

「っせー、ほっとけよ」

「調子こいてんじゃねーぞ!」


早瀬が、
俺の胸ぐらを掴んだ。

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