君が笑うなら


「……よぉ」


気付かないでくれ。
どうか、どうか。



「…あ、あの…
前、ごめんね…」


俯く仕草も、
気まずそうな顔も。

もう、全てがいとおしくて
正に末期。




「…俺の方こそ」


ごめん。
怖いもん見せて、ごめん。
あんな場所に、
あんな世界に来させて、ごめん。


…――好きになって、ごめん。



「…ううんっ
助けてくれてありがとう!
カッコよかったよ」



そう言って、またほら。
優しい瞳。

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