君が笑うなら
それから1週間が経った。
いつ病室に行っても、
相原舞はそこにいた。
「1週間も目を覚まさないなんて…」
…いつ見ても、
相原舞は泣いていた。
「…お前、学校はいいのか」
点滴に繋がれた槙原を見て、
相原舞に視線を戻した。
「…勝田くんこそ」
「俺は元から行ってない」
彼女は困ったように笑った。
「…知ってるよ。
暴走族の勝田くん」
「…は?」
「あたし、直樹と勝田くんと、
同じ学校なんだよ?」
「……」
「直樹がいない学校なんて、
何も意味がないの」
声がまた震えた。
「直樹の席が空いてるの、
見たくないの」
その潤んだ瞳は、
何かを俺に訴えかけるようで。
槙原の事故は俺が原因だって
見透かされてるようで。
なのに、怖くなくて。
めんどくさくもなくて。
罪悪感でも、
嫌悪感でもなくて。
でも、何かわからないけれど、
感情があって。
とにかく…
息がしにくくなる。