Bremen
避けもせず、弾丸の直撃を全身に受けるストレグン!
………しかしその身体には、銃撃による痕が一つも付いていない。
『俺達は幻に躍らされていた。
恐らく本物の弾丸は、最初に光の矢を撃ち落としたものだけだ。
奴は俺達が疲弊した時を見計らって、トドメを刺すつもりだったのだろう。
そして奴は多分、この近くに居るはずだ。
燻り出してやる……
魔奏力、震!!』
ブブゥウヲオオオッ!!
ストレグンが両拳を胸の前で打ち鳴らすと、その衝撃が大気を振動させて周囲に拡散、それが物体に反射する様子がストレグンの『眼』に映し出される。
音や曲の象徴たる鳴流神は、音を五感で感じることができる。
すなわち、音を『見る』ことも『触る』こともできるのだ。
人間の『目』には何も映らない空間。
しかし鳴流神の……
ストレグンの『眼』は、何も無い空間で反射する音を見逃さなかった!
『いくら姿を隠しても、音を欺くことはできまい。
………そこだ!!』
背中の糸巻き部からワイヤーのように弦が伸び、ストレグンの前方で音が反射した空間を捕縛する!
そこへ向けて剣を構えつつ、戦慄するデヴァーシャ。
『保護色で姿を消せる鳴流神だったのか……!』