Bremen
 
『………正確に言えば、保護色とは違う。
光の反射を屈折させ、君らの視覚を誤認させていたのだ。
流石に、音の反射は屈折させられなかったか』


シュファアア………


ストレグンのワイヤーに捕われた『何か』が、ジワジワと景色から滲み出て現れる。
青光を放つ細身の鳴流神の姿が、ストレグンとデヴァーシャの瞳に映し出された!

『お初にお目に掛かる。
『弾』の称号を授かりし鳴流神、管楽弾ブラスオ。
捕縛された姿で登場するのも滑稽ではあるが……
以後、お見知りおきを』

デヴァーシャが鎧武者を彷彿させる容貌ならば、ブラスオはガンマンをイメージさせる姿をしている。
その蒼き射手に向けて、朱き侍が殺意をあらわにした。


『貴様がブラスオ……
いや、奏者ファーゴか!
これまでよくも我が同胞を散々殺してくれたな!
この場で成敗してやる!!』

閃光が走る!
デヴァーシャの刀の軌道は、朝の澄んだ青空に鋭い三日月を描き出した。


フォオン……


『っ!?』

デヴァーシャの斬撃はブラスオに届くこと無く、寸前で奇妙な音と共に弾かれてしまった……

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