Bremen
しかしストレグンはそれを避けようとしない。
『そんな児戯が鳴流神に通用すると思うか。
震の称号を持つ鳴流神、ストレグンの力を見るがいい!』
ストレグンが砂の突風に向けて左手を翳すと、掌から音波の波紋が放射される。
それは空気を振動させて風の膜となり、見えない盾と化してストレグンの身を守った。
砂の弾はストレグンのボディーに到達する前に、全て空中で静止した!
「バカなっ!?
普通の楽機なら蜂の巣になる威力だというのに、鳴流神には当たりもしねえってのかっ!?」
『……次はこちらの番だ。
覚悟は良いか?』
ブゥヲウウウウ……
ストレグンの右手に握られた弓の弦が、大気を振動させながら強烈な光を放ち始める!
『轟震弦、
ビブラッシュ・エンド!』
ヒュフィッ!!
糸状の物体が高速で空気を裂く時に発する小気味良い音が、荒野に響き渡る!
ストレグンの轟震弦はアコーディオン楽機に向けて斜め一閃、しかし………
「うわああっ!
……って、あれ?
アコーピオンは何ともないじゃないか!
ビビらせやがって………?」
ストレグンは左手の指で轟震弦を静かに摘んでいた。
何をするつもりなのか、その様子を盗賊の頭が見ていると……