Bremen
……バードはソナの巫女としての能力を見るために道行く人を呼び止め、悩みや相談を聞いて託宣を授けてさせてみる。
その日が暮れる頃には託宣を受けた者達が全員、宿屋までソナに礼を言いに来るほどだった。
「なるほど。
巫女の力、噂以上だな。
素直に感服したぜ」
「えへへ♪
じゃあ、ご褒美で一緒のベッドで寝てくれる?」
「お前なぁ……
無防備にも程があるぞ」
「にゃあ??」
バードの言葉にキョトンとして首を傾げるソナ。一連のソナのバードに対する誘惑としか思えない発言は、どうやら計算されたものではなく天性の無邪気さから来るもののようだ。
幼い頃から社に閉じ込められて外の世界を知らずに育ってきたのだから、心を汚されずに成長したのだろう。
しかし心は子供でも、身体は大人……である。
おいそれと頼みを聞けば、逆にバード自身が理性の限界を迎える危険もある。
(無知とは、犯罪だな……)
一段落着いた時、ソナが床にへたり込むように座った。
「バードぉ……
巫女の力を使ったら、とってもお腹が空いちゃったのニャ。
ご飯食べたいニャ♪」