Bremen
食事が終わるとソナは長椅子にゴロンと横たわり、可愛らしい寝息を立てながら眠りに落ちてしまった。
「ンミャ〜………
もう食べられないニャ。
ムニャムニャ……」
「こいつは牛か?」
珍しく長時間掛けて音貨を支払ったバードは、ソナを抱き抱えて泊まる部屋に戻った。
ベッドにソナを寝かせ、自らは毛布に包まって横になる。
「ニャ〜〜……
バード、大好きニャ……」
ソナの有難迷惑な寝言にバードは思わず失笑する。
「しばらく退屈せずに済みそうだな」
バードも眠気にまどろみ始めた頃、再びソナの寝言が始まった。
「バード……
お腹……空い…………
………………
………震の称号を授かりし、黄金の鳴流神に選ばれし者よ。
汝の求める奏者は北西の山々を越えた先に居る。
そこで出会う奏者、今だ己の奏者たる宿命に気付いておらぬ。
汝が導き、その魂の赴く先を示すが良い。
そして………
この巫女を汝に託す。
汝の旅の行く末に、幸福の調べが聞こえ来ることを願わん……………」