Bremen
「あれがバードの鳴流神……」
スネアは、燃え盛る山の上空を陣取る巨大なバイオリンとドラムセットに圧倒されていた。
何とも幻想的で、何と奇天烈な光景であろうか!
「行くぞ!」
背中のギターを取り出して飛び乗り、ストレグンに搭乗しようとするバード。
「待ってくれ、バード!
俺の鳴流神、本当に破壊するしかないのか!?
あいつを止める方法は!?」
「………今はその方法を試している時間は無い!
鳴流神と山火事、ストレグンで食い止める!!」
その言葉にスネアは、バードには何か鳴流神の暴走を止める方法があることを察した。
「もしかして、契約を結べば鳴流神を止められるのか?
どうすれば契約できるんだ?
教えてくれ、バード!」
「契約とは、鳴流神の名前を知ること。
奏者が鳴流神と心を繋いだ時、その名を知ることができるんだ。
だが、鳴流神と心を繋げるには相当の時間が必要だ。
俺がストレグンとの契約に要した時間は5日。
それでも短かったぐらいだ。
奏者として覚醒したばかりのお前には、短時間で契約を結ぶことは不可能だ」
そう言い残し、バードはストレグンの中へ飛び去って行った………