Bremen
バードを取り込んだストレグンは人型に変形、轟震弦を携えて地上に舞い降りる。
『弦楽震ストレグン、奏臨!』
ストレグンの出現に反応したように、銀色のドラムセットも変形を開始する。
縦向きになったバスドラムをボディとし、スネアドラムが脚部に、タムが腕部に移動。
タムから太い腕が伸び、肘にシンバルが合体して盾となる。
スネアドラムからも短い足が現れて燃える山に着地、最後にバスドラムの頂点から頭部が出現して変形は完了した。
ストレグンに比べ、決してスマートなスタイルとは言い難いが、重量感溢れる力強いフォルム。
その白銀に輝く鳴流神が、夜の闇を煌々とあぶる紅蓮の炎の中でストレグンの前に立ちはだかる!!
『まだ鳴流神は暴れ出す気配を見せない。
まずは山火事を始末するか』
轟震弦で山の麓に生える木々を薙ぎ払う。
麓一帯で燃える木は一振りで刈り取られ、ひとまず山火事が街の方へ広がる危険は去った。
『街への被害は防いだが……
火を消さなければ、加熱された山は結局爆発する。
大量の水が必要だ……』
辺りを見回すストレグンだが、荒野と砂漠のカンツォーネで海や池が簡単に見つかる訳が無い。