Bremen
「貯水プールの位置にソナを立たせている!
まずはそこに移動するんだ!」
『ソナが?』
街の方に目を向けると、公園と思われる広場でソナと世話になった食堂の女主人が、長い竿の先に白いエプロンを結んだ簡素な旗を降っているのが確認できた。
貯水は元々、街に火事が起こった時のために消火用として使えるようになっているのだろう。
『たりゃっ!!』
鳴流神を蹴り飛ばし、その反動でバック転しながら広場に近付くストレグン。
だが鳴流神の腕が伸びて遠ざかるストレグンに追い付き、その首を掴んで捕らえる!
『ぐあっ!
もう少しだというのに……』
広場まで、ストレグンの歩幅なら一歩あれば到達する距離。
だが鳴流神の腕力で引き戻されそうだ。
『くっそぉ………!!
やはり鳴流神を破壊しなければならないか!』
轟震弦で鳴流神の腕を切り落とそうとするが、首の向きを固定されて背後まで腕が動かない。
『くそっ……!
万事休す、か………』