Bremen
『………!!』
鳴流神の手の力が緩む。
『……?
一体どうしたんだ?
いや、そんなことより今は!』
その手を振りほどいてストレグンは広場に立つと、正拳突きで地表をブチ抜いた!
その下では並々と湛えられた水が、黄金のストレグンの姿を揺らめきながら映していた。
『あったぜ。
貯水プールだ!
これだけの水があれば、山火事ぐらい消火できる!』
貯水プールを持ち上げようとするストレグンだが、重過ぎて持ち上がらない。
『ストレグンのパワーでは、こいつを運ぶのは無理か………』
諦めかけたその時!
『俺に任せろ、バード!』
『!?』
銀色の鳴流神が拳を打ち鳴らしながら走り寄り、ストレグンの前に立った。
だが、さっきまでの雰囲気と何かが違う………
『喋った………?
まさか、スネア!?』
驚くストレグンに親指を立てた拳を見せて応える鳴流神が、誇らしく力強い名乗りを高々と上げた。
『荒(こう)の称号を授かりし鳴流神………
打楽荒パーカスト、奏臨!!』