Bremen
バードは荷物の中から何かを取り出し、ソナに見せた。
「お前が食わないなら、こいつは俺が食っちまうぞ?」
バードがソナに見せたのは、ハイハットで世話になった食堂の女主人が弁当として作ってくれた大きな握り飯だった。
『それがどうした?
そんなも……の………
が………ば……あ……ど!
ずる……いニャ!
ソナもお握り食べたいニャ!」
泣きそうな顔で握り飯に飛び付こうとするソナ。
バードがそれを高く放り投げると、本能的にソナも釣られてジャンプした。
「スネア!
ソナの影を狙え!!」
「お、おう!」
操る対象が空中に居る限り、例えジタバタしようとも移動させることはできない。
スネアは素早くドラムスティックを懐から取り出し、ソナの影に向けてダーツの矢の如く投げ放った!
『何!?』
突き立てられたスティックが、地面と影を縫い付ける。
たまらず潜んでいたシジマが影から飛び出して来た!
「く……
よく俺が娘の影に潜んでいることが分かったな!
俺はシジマを束ねる『四門将』の一人、影将ヒドゥム。
我々の敵、奏者と鳴流神を抹殺するのが俺の任務だ!」