Bremen
『バード、済まない。
だが、このままでは……』
動けない。
今のストレグンは、クルォワッハにとっては恰好の獲物だ。
『クケケーッ!
お前、正気か?
今なら確実にトドメを刺せるぜ、マヌケがぁっ!』
爪、牙、クチバシ……
高速で飛び回るクルォワッハの容赦無い猛攻を受け、遂にストレグンは膝を地に着ける。
辛うじてパーカストの命綱である弦を持ち続けていられる状態だ。
『手を離せ、バード!
このままでは殺られる!
反撃するんだ!!』
『……そう言われて、俺が手を離すと思うか?』
強がるバードだが、状況は予断を許さない。
クルォワッハの攻撃によって、パーカストを支える力が出せなくなってきたストレグン。
もはや、二体の鳴流神が影の中に姿を消すのは時間の問題だった。
『このまま待っていても貴様らを纏めて葬ることができるが……
ただ待つだけというのは面白くない。
まず、手出し出来ない黄金の鳴流神を背後からなぶり殺し、白銀の鳴流神には仲間が死んで行くのを見ながら影の中にに沈んでもらおうか』
空から様子見していたクルォワッハがストレグンの背後に降り立ち、鉤爪を突き立てようと迫る!